カテゴリ「鴉の王」に属する投稿[136件](2ページ目)
2024年12月31日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月30日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月29日 この範囲を時系列順で読む
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第一幕②の途中。ロージャの仲間として登場させるのは、この時期行動をともにすることが多かったらしいヴェセルカ・イムレとキシュ・バーチ、オスノヴィッチ・イシュトヴァーンの3人。ロージャの弟のアンドラーシュや、ロージャ・ヨージェフ(ロージャのおじと同名だけどたぶん別人だろう)は登場させなかった。
それはそうと、わたしの小説にイシュトヴァーンさんとイムレさんが登場するのは今回が初めてで、ちょっと感動している。愛称ピシュタさんとか、「これがイシュトヴァーンとかイムレといったありふれた名前なら話は別だが」みたいなやり取りは出てくるんだけども、「聖イシュトヴァーンのなんちゃらかんちゃら」がそれなりの頻度で出てくるために、オリキャラ人名としては使いにくい。
……ご贔屓の名前がレアとはいかないまでもそこまで多数派じゃなくてよかったなあと。
第一幕②の途中。ロージャの仲間として登場させるのは、この時期行動をともにすることが多かったらしいヴェセルカ・イムレとキシュ・バーチ、オスノヴィッチ・イシュトヴァーンの3人。ロージャの弟のアンドラーシュや、ロージャ・ヨージェフ(ロージャのおじと同名だけどたぶん別人だろう)は登場させなかった。
それはそうと、わたしの小説にイシュトヴァーンさんとイムレさんが登場するのは今回が初めてで、ちょっと感動している。愛称ピシュタさんとか、「これがイシュトヴァーンとかイムレといったありふれた名前なら話は別だが」みたいなやり取りは出てくるんだけども、「聖イシュトヴァーンのなんちゃらかんちゃら」がそれなりの頻度で出てくるために、オリキャラ人名としては使いにくい。
……ご贔屓の名前がレアとはいかないまでもそこまで多数派じゃなくてよかったなあと。
2024年12月28日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月27日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月26日 この範囲を時系列順で読む
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2024年12月24日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月23日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月20日 この範囲を時系列順で読む
想像だけど。
マーチャーシュ王(れきしじょうのすがた)は鎧を着て馬に乗って戦場へ行った人なんだから、いくらなんでも白兵戦の訓練をこれっぽちも受けていないということはないだろうなあ、という考えでいる。子供のころから人文主義者としての教育を受けて、学問に親しんでいた本好きではあるけれど、幅広の川を泳いで渡ることもできたというからには体も鍛えていたんだろう。軍事知識も学んでいたというから、将来は兄のように父とともに戦場へ出向き、ゆくゆくは軍団を指揮することを期待されていたのじゃないか。フニャディ家は成り上がりの身分なのだし、ツィレイ家の娘と婚約したことからも、家のことは兄に任せて弟は勝手気ままに学問を……なんて立場ではなさそうに思える。それにはやっぱり白兵戦の訓練だって必要だ。
てなわけで、本邦の光圀や吉宗が武士であったのと同じくらいにはマーチャーシュ王も騎士(よい家柄で、訓練を積んだ重装備の騎兵くらいの意味で使った)だったのじゃないかと思うんだけど、どうか。
マーチャーシュ王(れきしじょうのすがた)は鎧を着て馬に乗って戦場へ行った人なんだから、いくらなんでも白兵戦の訓練をこれっぽちも受けていないということはないだろうなあ、という考えでいる。子供のころから人文主義者としての教育を受けて、学問に親しんでいた本好きではあるけれど、幅広の川を泳いで渡ることもできたというからには体も鍛えていたんだろう。軍事知識も学んでいたというから、将来は兄のように父とともに戦場へ出向き、ゆくゆくは軍団を指揮することを期待されていたのじゃないか。フニャディ家は成り上がりの身分なのだし、ツィレイ家の娘と婚約したことからも、家のことは兄に任せて弟は勝手気ままに学問を……なんて立場ではなさそうに思える。それにはやっぱり白兵戦の訓練だって必要だ。
てなわけで、本邦の光圀や吉宗が武士であったのと同じくらいにはマーチャーシュ王も騎士(よい家柄で、訓練を積んだ重装備の騎兵くらいの意味で使った)だったのじゃないかと思うんだけど、どうか。
2024年12月18日 この範囲を時系列順で読む
Civ6マティアスのデザインは、あの青髭を除けば結構気に入っている。
見た目の直接のモデルになったのはおそらく現クルジュ=ナポカ市の騎馬像だろうけども、鼻筋や頬骨、顎のラインなんかよく描写される王の特徴を捉えているし、目もとの穏やかだけど笑っていない感じも「これこれ!」となる。せりふの節々に自分が王であることへのこだわりが覗いているのも、自身の権威を絶えず示し続けなければならなかった事情を踏まえているのだろうし、指導者としての能力も傭兵による常備軍の強さと維持のきつさをよく表している。
学問や書物に関する特性がないのはちょっと残念だけど、開発側も「多才な人物なのでどの部分にフォーカスするかとても悩んだ」と言っていたし、ゲームに落とし込む上での妥協と解釈している。そもそも、ハンガリーの指導者としてこの人物が選出されたのも「徴兵システムにもっと光を当てたい」という開発側のニーズと合致したためだろう。もしもマティアスに別衣装(笑)が存在したら、「ルネサンス王」といった具合で文化面に特化した鴉の王も見られたのかもしれない(見たかったよお)。
見た目の直接のモデルになったのはおそらく現クルジュ=ナポカ市の騎馬像だろうけども、鼻筋や頬骨、顎のラインなんかよく描写される王の特徴を捉えているし、目もとの穏やかだけど笑っていない感じも「これこれ!」となる。せりふの節々に自分が王であることへのこだわりが覗いているのも、自身の権威を絶えず示し続けなければならなかった事情を踏まえているのだろうし、指導者としての能力も傭兵による常備軍の強さと維持のきつさをよく表している。
学問や書物に関する特性がないのはちょっと残念だけど、開発側も「多才な人物なのでどの部分にフォーカスするかとても悩んだ」と言っていたし、ゲームに落とし込む上での妥協と解釈している。そもそも、ハンガリーの指導者としてこの人物が選出されたのも「徴兵システムにもっと光を当てたい」という開発側のニーズと合致したためだろう。もしもマティアスに別衣装(笑)が存在したら、「ルネサンス王」といった具合で文化面に特化した鴉の王も見られたのかもしれない(見たかったよお)。
マーチャーシュ王にまつわる民話の中には、当時のヨーロッパには存在しないはずのカボチャが登場するエピソードがある。
貧しい農夫が巨大なカボチャを見つけて、王への贈り物にした。王は大層喜び、農夫に褒美として金を与えた。農夫はその金で雄牛を買い、おかげでずいぶん楽に畑仕事ができるようになった。
別の男がこれを見て、一計を案じた。彼は裕福で、おまけに美しい仔馬を持っていたので、この仔馬を王に献上して自分もご褒美を貰おうと考えたのだ。王は「こんな美しい仔馬は見たことがない!」と喜んで、男を例の巨大なカボチャのところへ連れていくとこう言った。
「どうだ、すばらしいカボチャであろう?」
「はい、王さま。こんなすばらしいカボチャは見たことがございません!」
おべんちゃらを言う男に、王はすかさず次のように言った。王の統治はかくも公正なものだったからだ。
「そうか! では仔馬をくれた礼に、このカボチャをそなたにやろう!」
ぐりとぐらなら巨大カボチャで素敵な料理を作ってくれそうだけど、ここでは欲をかいた男がカボチャでがっかり、という残念賞扱い。ハンガリー語には「カボチャ頭 (tökfej)」という悪口もあるそうなので、そうしたニュアンスもあるいは込められているのかもしれない。
#民話
貧しい農夫が巨大なカボチャを見つけて、王への贈り物にした。王は大層喜び、農夫に褒美として金を与えた。農夫はその金で雄牛を買い、おかげでずいぶん楽に畑仕事ができるようになった。
別の男がこれを見て、一計を案じた。彼は裕福で、おまけに美しい仔馬を持っていたので、この仔馬を王に献上して自分もご褒美を貰おうと考えたのだ。王は「こんな美しい仔馬は見たことがない!」と喜んで、男を例の巨大なカボチャのところへ連れていくとこう言った。
「どうだ、すばらしいカボチャであろう?」
「はい、王さま。こんなすばらしいカボチャは見たことがございません!」
おべんちゃらを言う男に、王はすかさず次のように言った。王の統治はかくも公正なものだったからだ。
「そうか! では仔馬をくれた礼に、このカボチャをそなたにやろう!」
ぐりとぐらなら巨大カボチャで素敵な料理を作ってくれそうだけど、ここでは欲をかいた男がカボチャでがっかり、という残念賞扱い。ハンガリー語には「カボチャ頭 (tökfej)」という悪口もあるそうなので、そうしたニュアンスもあるいは込められているのかもしれない。
#民話
2024年12月7日 この範囲を時系列順で読む
マーチャーシュ王と葬式に関する伝説で、より穏便 (?) な内容のもの。
ある貧しい男が死んだ。男の家族が細々とした葬式を挙げているところを見かけたマーチャーシュ王は、王妃ともども正装して男の葬式に参列した。すると人々は、王と王妃が参列するからにはさぞかし立派な人物が亡くなったのだろうと思い、一人また一人と葬列に連なった。こうして貧しく死んでいった男は、最期に多くの人にその死を惜しまれるという栄誉に与ったのだった。
これはこれでいい話なんだけど……同じ作り話なら「金を払わなければ葬式はしない」と言い放った悪徳司祭が金を払った王の命令で自分自身の葬式も挙げることになる前者のほうが、おはなしとしてのおもしろさがあると思う。
#民話
ある貧しい男が死んだ。男の家族が細々とした葬式を挙げているところを見かけたマーチャーシュ王は、王妃ともども正装して男の葬式に参列した。すると人々は、王と王妃が参列するからにはさぞかし立派な人物が亡くなったのだろうと思い、一人また一人と葬列に連なった。こうして貧しく死んでいった男は、最期に多くの人にその死を惜しまれるという栄誉に与ったのだった。
これはこれでいい話なんだけど……同じ作り話なら「金を払わなければ葬式はしない」と言い放った悪徳司祭が金を払った王の命令で自分自身の葬式も挙げることになる前者のほうが、おはなしとしてのおもしろさがあると思う。
#民話
マーチャーシュ王の世直し伝説のひとつで、好きなやつ。
ある女が道端で涙にくれていた。通りかかった王がなぜ泣いているのかと尋ねると、女は夫が死んでしまったのに金がない、司祭は金を払わないと葬式を挙げてくれないのだと答えた。そこで王はあわれな女に金を恵んでやり、この金で司祭を呼び、棺桶をふたつ買うようにと言った。女は王に感謝し、司祭が呼ばれ、こうして無事に葬式がおこなわれた。葬式が終わると、その様子を見守っていた王は居合わせた人々に命じ、欲深い司祭をもうひとつの棺桶に押し込めて葬ってしまったのだった。
これとほとんど同じ話がロージャ・シャーンドルにもあるそうで、虐げられた民衆の恨みを晴らして正義を回復する役目が、15世紀の国王と19世紀のアウトローという一見共通点のなさそうなふたりに与えられているのはおもしろい。
#民話
ある女が道端で涙にくれていた。通りかかった王がなぜ泣いているのかと尋ねると、女は夫が死んでしまったのに金がない、司祭は金を払わないと葬式を挙げてくれないのだと答えた。そこで王はあわれな女に金を恵んでやり、この金で司祭を呼び、棺桶をふたつ買うようにと言った。女は王に感謝し、司祭が呼ばれ、こうして無事に葬式がおこなわれた。葬式が終わると、その様子を見守っていた王は居合わせた人々に命じ、欲深い司祭をもうひとつの棺桶に押し込めて葬ってしまったのだった。
これとほとんど同じ話がロージャ・シャーンドルにもあるそうで、虐げられた民衆の恨みを晴らして正義を回復する役目が、15世紀の国王と19世紀のアウトローという一見共通点のなさそうなふたりに与えられているのはおもしろい。
#民話
2024年12月6日 この範囲を時系列順で読む
おはなしの舞台は1857年を予定していたけど、53年にしようかな。ロージャが最終的に足を洗ってめでたしめでたしとする以上、フィクションとの転換点を奥さんが逮捕され、あちこち連れ回される以前に設定しないと後味が悪い……それに53年ころといえば、ベチャールたちの活動の頻度が低下していき、ロージャに1万ペンゲーの懸賞金がかけられるころ。裏切りや密告を警戒し、猜疑心に駆られるとともに、「こんな暮らしをやめたい」と願うロージャを描くにはいい頃合いだ。
この時期、コッシュートはロンドンにいたようだ。マジャル国内のコッシュート派がロージャとの接触を試みたという話もあるそうだから、活用しようと思う。
この時期、コッシュートはロンドンにいたようだ。マジャル国内のコッシュート派がロージャとの接触を試みたという話もあるそうだから、活用しようと思う。
2024年12月4日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月2日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月1日 この範囲を時系列順で読む
2024年11月26日 この範囲を時系列順で読む
続き。
わたしは最近までこの神罰説を聞いたことがなかったし、それ以上の詳細な記述もネットでは見つけられなかったので、「本当にそんな噂あったの?」と懐疑的な気持ちなんだけど、ラースロー5世の死はあまりにも突然だし、タイミングとしても絶妙だ。具体的な死因が解明されるまでは、人々が暗殺とか神罰といった、とりあえず納得できる理由を求めてきたのもわからなくはない(「真実」を求める者がいればこそ、それを意図的に作りあげる者もいることだろう)。
《フニャディ》に限っていえば、フニャディ家の人々が美化されるのは愛国的な観点からも当然で、彼らが先王を暗殺したなんて展開はもってのほかだ。まして、「マジャルの英雄たるフニャディさんち vs. ハプスブルクの王」といった構図を大々的に打ち出せば、1840年代には上演なんかできなかったのではないだろうか。
《フニャディ》の憎しみのベクトルはツィレイやガラといった「よこしまなマジャル人貴族」に向かっていて、国王ラースローは彼らに操られる弱い心の持ち主ではあるけれど、悪しき憎まれ役ではない(この点が彼の役回りの中途半端さの印象に結びつく)。彼は脆い心とかなわぬ恋ゆえにみずからの誓いの言葉に背き、みずからの死の引き金を引いてしまう。それがもうひとりのラースローの悲劇なのだ……《フニャディ》の中の王の死について今ではわたしはそういう解釈をしているんだけど、どうだろう。
#オペラフニャディ
わたしは最近までこの神罰説を聞いたことがなかったし、それ以上の詳細な記述もネットでは見つけられなかったので、「本当にそんな噂あったの?」と懐疑的な気持ちなんだけど、ラースロー5世の死はあまりにも突然だし、タイミングとしても絶妙だ。具体的な死因が解明されるまでは、人々が暗殺とか神罰といった、とりあえず納得できる理由を求めてきたのもわからなくはない(「真実」を求める者がいればこそ、それを意図的に作りあげる者もいることだろう)。
《フニャディ》に限っていえば、フニャディ家の人々が美化されるのは愛国的な観点からも当然で、彼らが先王を暗殺したなんて展開はもってのほかだ。まして、「マジャルの英雄たるフニャディさんち vs. ハプスブルクの王」といった構図を大々的に打ち出せば、1840年代には上演なんかできなかったのではないだろうか。
《フニャディ》の憎しみのベクトルはツィレイやガラといった「よこしまなマジャル人貴族」に向かっていて、国王ラースローは彼らに操られる弱い心の持ち主ではあるけれど、悪しき憎まれ役ではない(この点が彼の役回りの中途半端さの印象に結びつく)。彼は脆い心とかなわぬ恋ゆえにみずからの誓いの言葉に背き、みずからの死の引き金を引いてしまう。それがもうひとりのラースローの悲劇なのだ……《フニャディ》の中の王の死について今ではわたしはそういう解釈をしているんだけど、どうだろう。
#オペラフニャディ
メモ。ラースロー5世の急逝とオペラ《フニャディ》での描写について気になっていること。
1456年11月9日、フニャディ家の郎党がツィレイ・ウルリクを殺害する。フニャディ家の力を恐れた国王ラースロー5世は同月23日、貴族たちを引き連れてテメシュヴァールを訪れ、「フニャディ家の人々を今回の一件で罪に問うことはしない」と誓う。
王の真意は不明だが、フニャディ兄弟は王の誓いを信じたのか、それとも何か考えがあってのことか、王の呼び出しに応じてブダに向かい、逮捕される。1457年3月16日、フニャディ・ラースローは処刑され、兄弟の母エルジェーベトはただちに実兄ミハーイとともに反乱を起こす。
この反乱を鎮めることができないまま、同年11月23日、王はプラハにて急逝する。王の死因は現在では急性白血病と判明しているけど、以前は毒殺説や黒死病罹患説もあった……というのはよく知られた話。
そして当時、それとは別の噂も囁かれていたという。つまり、みずからの「誓い」を破ってフニャディ・ラースローの処刑を命じた王に対して、「誓い」のちょうど1年後のその日に神罰が下されたという内容だ。
この噂が自然発生的なものなのか、それとも「後付け」なのかはわからない。ただ、オペラが盛んに上演されていた当時、「噂」の存在が歴史上のエピソードとして広く認識されていたのなら、《フニャディ》第二幕の王の宣誓のシーンは、第四幕(全三幕のバージョンでは第三幕)でのフニャディ・ラースローの死だけでなく国王ラースローの死をも暗示することになり、演出上とても重要な意味をもつことになりそうだ。
#オペラフニャディ
1456年11月9日、フニャディ家の郎党がツィレイ・ウルリクを殺害する。フニャディ家の力を恐れた国王ラースロー5世は同月23日、貴族たちを引き連れてテメシュヴァールを訪れ、「フニャディ家の人々を今回の一件で罪に問うことはしない」と誓う。
王の真意は不明だが、フニャディ兄弟は王の誓いを信じたのか、それとも何か考えがあってのことか、王の呼び出しに応じてブダに向かい、逮捕される。1457年3月16日、フニャディ・ラースローは処刑され、兄弟の母エルジェーベトはただちに実兄ミハーイとともに反乱を起こす。
この反乱を鎮めることができないまま、同年11月23日、王はプラハにて急逝する。王の死因は現在では急性白血病と判明しているけど、以前は毒殺説や黒死病罹患説もあった……というのはよく知られた話。
そして当時、それとは別の噂も囁かれていたという。つまり、みずからの「誓い」を破ってフニャディ・ラースローの処刑を命じた王に対して、「誓い」のちょうど1年後のその日に神罰が下されたという内容だ。
この噂が自然発生的なものなのか、それとも「後付け」なのかはわからない。ただ、オペラが盛んに上演されていた当時、「噂」の存在が歴史上のエピソードとして広く認識されていたのなら、《フニャディ》第二幕の王の宣誓のシーンは、第四幕(全三幕のバージョンでは第三幕)でのフニャディ・ラースローの死だけでなく国王ラースローの死をも暗示することになり、演出上とても重要な意味をもつことになりそうだ。
#オペラフニャディ
2024年11月13日 この範囲を時系列順で読む